おかえり

１月９日

少年剣道の指導に携わらせていただき10年以上経ちますが。
数年に一度ファイターと呼びたくなるようなそんな剣士に出会います。
まさしく彼は。
どんな相手に対しても何かしてくれるのではと。
期待を抱かざるを得ない。
魂の真っ向勝負を挑んでくる。
そんな教え子の1人でありました。

そんな彼も2年前中学を卒業し。
記念品のサンパチの竹刀を受け取っては。
今後使うことはないでしょうとブラックジョークを言い放ち。
高校では宣言通り別の部活に入部したと。
風の噂で聞いていました。

しかし。
しかーっし！
寒稽古真っ只中の今日。
使われるはずのなかったその竹刀を携え彼はやってきたのです。
私と変わらないほどの背丈になった彼は。
淡々と体を温め。
地稽古から合流しました。
力強い踏み込みに打突。
今から高校剣道界に返り咲いても十分通用するであろうその剣風は健在で。
後輩たちをしっかり鍛えてくれていました。

今年の唯心会のテーマは。
克己心。
彼のどんな強者にも立ち向かっていったその姿勢と。
2年間の沈黙を破り道場に帰ってきたその心意気は。
まさに我々に対し克己の心を体現してくれたのではと思います。

敢えて今日は。
彼とは稽古をしませんでした。
それはきっと。
また近いうちに会えると信じているから。
成長した彼の後ろ姿にエールを込めて。
また来いよ！