イニシエ
通勤途中にある温度計は零下二度。
忘れかけていた突き刺さるような冷気が体の温度を一気に奪います。
次第に足の感覚もなくなり。
息遣いだけが白く消えていきます。
火曜の朝に40分ほど行われる稽古会。
おそらく今日が最後になるのではということで。
顔を出させてもらいました。
いつもの先生方を含め5人での回り稽古。
一本一本を惜しむようにぶつかります。
気がつけば寒さも忘れ。
唯々無心に技を出す。
上は70代から下は30代の先生方。
職場も違えば立場や肩書も様々です。
しかし一度剣を交えれば。
師弟の差はあれど一本を求め凌ぎを削る一剣士。
それが剣道の魅力かなと思います。
先生方を送り出し。
祭りの後の道場は。
静寂を取り戻します。
誰もいなくなったはずの道場に。
確かに感じる先人達の息遣い。
稽古とは。
古を考えること。
則ち長年培われてきた先人達の教えを学び練り上げることです。
ここでの稽古では。
そんな剣道の原点を教えられた気がします。
先生方ありがとうございました。
また鍛えてください。
礼。