唯心会の剣道日記

私たちは滋賀で活動する剣道の稽古会です。大人から子供まで共に剣を交えることで、心豊かな人間形成を目指し、日々の稽古に取り組んでいます。

有終の美

3月21日

たった1人の6年生。
その小さな背中にキャプテンと大将という重責を背負い。
この1年間頑張ってくれました。

彼の武器は思い切りのいい飛び込み面。
当たるも八卦当たらぬも八卦
でもどんなに強い相手にも何かしてくれるのではという期待の持てる大将でした。

今日は京都まで錬成会。
彼にとっても小学生最後の戦いになります。
時計も午後4時をまわり。
ラスト1試合。
先鋒が二本負けを喫するものの。
次鋒が盛り返して二本勝ち。
勢い止められ中堅が二本負け。
副将踏ん張り一本勝ちで。
二勝二敗。
本数で一本リードされ大将戦を迎えます。
正に大将が勝たなくてはチームの勝利がないドラマティックな展開を。
固唾を飲んで見守ります。
試合は場外ぎわ。
相手が振り向いたところに飛び込み面。
少し届かず不十分。
そこで諦めずもう一本。
得意の思い切りのいい面が見事に相手の脳天を捉えました。
面あり!勝負あり!
彼のチームのために戦う強い気持ちが。
この小学生最後の錬成会で形になった瞬間でした。

大事な場面で実力を。
いや実力以上の力を発揮する逞しい姿を。
最後に身を持って後輩に示してくれたキャプテン。
試合後に。
大いに褒めてあげた時の。
子供らしいはにかんだ笑顔が印象的でした。

これから進んで行く彼の人生に。
少しでも共に学んできた剣道が役に立てば嬉しいです。
大将お疲れ様でした。
卒業おめでとう。
飛翔。