唯心会の剣道日記

私たちは滋賀で活動する剣道の稽古会です。大人から子供まで共に剣を交えることで、心豊かな人間形成を目指し、日々の稽古に取り組んでいます。

自由研究

8月14日

風呂の網戸に見知らぬ虫がとまっています。
透き通るような白い体に。
手足か触覚のような物が数本。
尾尻も絹糸のように綺麗に伸びています。
次の日もその次の日も同じ所にとまっていたので。
あれは何だろうと家族に尋ねてみると。
家内が何かの抜け殻かなと言うので。
なるほど全く動かないわけかと納得しました。

知らぬ間にいなくなっていたその姿が気になり調べてみると。
ありました。
節足動物門 昆虫網 カゲロウ目 モンカゲロウ科。
つまり蜻蛉(かげろう)の抜け殻だったのです。
このカゲロウ君。
成虫の寿命は短命で朝生まれて夕方死ぬなどと言われているそうです。
ならば。
あの抜け殻の主は。
既に天命を全うしなお私たちにその美しい姿を見せてくれていたのかと。
その幻が愛おしく思えます。

儚き命。
動かぬ殻に生を見て。
我が命をと。
省みるなり。

私たち人間も。
生きてる時間より。
死んでる時間の方が遥かに長いでしょう。
ならば死して人の心に生きうるよう。
今の命を精一杯。
明日の命を精一杯。
一日一生。